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その他

冬場の飲水量の低下にご注意を!

寒くなってくると

・活動性の低下(猫ちゃんは寒さは苦手です)

・水温の低下(冷たい水を飲みたがりません)

といった理由から飲水量の低下が起こりがちです。

 

飲水量が少なくなると泌尿器系のトラブルが多くなります。

3回に分けて

  • お水を飲ませる工夫
  • 尿石症
  • 慢性腎臓病

についてお話ししたいと思います。

 

~お水を飲ませる工夫~

まずは寒さにこごえてじっとしているとそもそも動いてくれません。適切に空調管理をして室温を温かくしましょう。もともと砂漠由来の動物とされていますので寒さには弱いです。また人よりも平熱が高いですので、人が感じている寒さ以上に猫ちゃんは寒く感じているのかも知れません。

では、具体的な方法を紹介します。

『ぬるま湯を与える』

まめに取り換えないといけないため、手間がかかりますが、冷たい水を好まない猫ちゃんに有効です。

『ウェットフードの活用』

これは水を飲ませるわけではありませんが、ウェットフード自体には水分が80%以上含まれているので、ウェットフードを食べることで水分ごと摂ってもらうことを目的としています。ドライフードにウェットフード混ぜて与えるミックスフィーディングも有効です。

ウェットフードの一例

『器の材質・数』

基本的には陶器が好まれます。(陶器 > ガラス > プラスチック > ステンレス)

ひげが当たることを嫌がるので、大き目の器が好まれます。

数は今いる猫ちゃん以上の設置が望ましいです。また、わんちゃんなどもいる場合は、ほかの動物の唾液が入った水を好まないため、わんちゃんなどが届かない高い所にも設置しておくといいでしょう。

なお、我が家のにゃんずは100均で購入した陶器の小ぶりなどんぶりで与えています。

『楽な姿勢で飲める工夫』

とくにシニア猫ちゃんでは関節の病気を患うことが多いので、あまり首を下げずに水を飲めるように器の下に台を設置して高さを出したり、高めに設計されている器を用意したりしましょう。

高さを調整した容器

『循環式給水機』

フィルターで水をろ過し、噴水のように循環させる装置です。好む猫ちゃんはよく飲むようですが、好まないコは全く飲みません。人が思うようには行動してくれません。。。

『好みの水』

器の水からはあまり飲まず、蛇口から垂れている水、おふろの残り湯などを好む猫ちゃんが案外多いようです。流れている水や広い場所にたまっている水は猫ちゃんにとっては清潔に見えるのかも知れません。こういった水を好む場合、少しもったいないですがポタポタ垂らしておき、いつでも飲めるようにしておきましょう。

『だし汁を飲み水にする』

ささみなどを湯がいた水を与える方法です。水分に旨味と風味が移し飲水を促します。塩分などは添加しないように気を付けましょう。

 

上記のことをすべて行う必要はありません。あなたの猫ちゃんに会った方法を探していきましょう。

 

最後に・・・

もともと猫ちゃんは人よりも尿を濃くすることが得意です。砂漠など水の少ない所が由来とされていますので、水を有効利用することに長けています。腎臓では大切な水分を極力体に残すため、一度ろ過した水分を再び体に引き戻します(再吸収といいます)。そのため少ない水分でもある程度やりくりが可能です。

とはいえあまり水を摂らなすぎると、濃いおしっこによる尿石症や、脱水による慢性腎臓病の悪化などが懸念されます。次回からこうした実際のトラブルを取り上げます。